仕事で「ウェブサイトをいっこ作るのでサーバセットアップよろ〜、WordPress 付きで」な流れになり、「WordPress すか… そろそろ SSG にしません?」等と言いたいのをぐっと飲み込んで、AWS コンソールにログイン。従来は「チュートリアル: Amazon Linux による WordPress ブログのホスティング」 あたりの手順に従って、手作業でいちからインストールや設定を行ってたのですが、Btinami 提供の WordPress 入り AMI が無料で使えることを知ったので、それを試してみることにしました。結果、とても使い勝手が良く、作業時間を大幅に短縮できました。
手順は Btinami サイトの「Get Started With Bitnami AMIs From The AWS Console」で説明されていますが、現状と食い違う箇所も少しあったので、当方で行った作業手順を備忘録的に記しておきます。
まず、予め AWS コンソールにログインしてから(もちろん EC2 でインスタンス生成できる権限のユーザで)、Btinami サイトにある各リージョン毎の AMI 一覧にアクセス。
ここから、アジアパシフィック(東京)の AMI ID をクリックすると、EC2 コンソールのインスタンス生成ページに遷移するので、あとは普段のようにインスタンス生成を行います。後でリモートログインして細かい設定等したい人は、セキュリティグループ設定で ssh ポートのインバウンドを忘れずに。
インスタンス起動が完了したら、ブラウザで http://<このインスタンスのパブリックIP>/ にアクセスして、WordPress 画面が表示されるのを確認。
ん? なんか Btinami の説明ページと違う画面だけどまいっか(ランダムに違うテーマが適用されるんですかね?) さらに http://<このインスタンスのパブリックIP>/wp-admin アクセスで、WordPress 管理画面が表示されるのも確認。
管理画面でログインするには、インスタンス起動時のシステムログからアカウント情報を得る必要があります。EC2 コンソールにて当該インスタンスについて、アクション > モニタリングとトラブルシューティング > システムログを取得 と進んで末尾付近にある下図のような箇所を探します。
ここで明示されているユーザ名とパスワード(上図だとユーザ名:user, パスワード:n********4)で、管理画面からログインできるのを確認します。
さて、WordPress の設定はサイト運営者の仕事なのでここまでにしておいて、カスタマイズ時に PHP ファイル等の書き換えや転送が出来るよう、ssh 周りの確認を。インスタンス生成時に指定したキーペアを使って、ssh ログインできるのを確認。ユーザ名は bitnami 固定です。
$ ssh -i my-keypair.pem bitnami@xxx.xxx.xxx.xxx (中略) Debian GNU/Linux comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY, to the extent permitted by applicable law. ___ _ _ _ | _ |_) |_ _ _ __ _ _ __ (_) | _ \ | _| ' \/ _` | ' \| | |___/_|\__|_|_|\__,_|_|_|_|_| *** Welcome to the Bitnami WordPress 5.6-0 *** *** Documentation: https://docs.bitnami.com/aws/apps/wordpress/ *** *** https://docs.bitnami.com/aws/ *** *** Bitnami Forums: https://community.bitnami.com/ *** (後略)
ログインできました。ストレージのサイズはデフォルトの10GBで十分だったみたい。
$ df -h Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on (中略) /dev/xvda1 9.7G 2.9G 6.4G 32% / (後略)
ホームディレクトリはこんな構成。
$ ls -l total 4 lrwxrwxrwx 1 bitnami bitnami 17 Dec 10 14:16 apps -> /opt/bitnami/apps -r-------- 1 bitnami bitnami 424 Dec 12 03:35 bitnami_credentials lrwxrwxrwx 1 bitnami bitnami 27 Dec 10 14:16 htdocs -> /opt/bitnami/apache2/htdocs lrwxrwxrwx 1 bitnami bitnami 12 Dec 10 14:16 stack -> /opt/bitnami
WordPress カスタマイズ時には ~/apps/wordpress/htdocs/ 以下をいじれば良さそう。
$ ls -l apps/wordpress/htdocs/ total 220 -rw-rw-r-- 1 bitnami daemon 405 Feb 6 2020 index.php -rw-rw-r-- 1 bitnami daemon 19915 Feb 12 2020 license.txt -rw-rw-r-- 1 bitnami daemon 7278 Jun 26 13:58 readme.html -rw-rw-r-- 1 bitnami daemon 7101 Jul 28 17:20 wp-activate.php drwxrwxr-x 9 bitnami daemon 4096 Dec 10 14:14 wp-admin -rw-rw-r-- 1 bitnami daemon 351 Feb 6 2020 wp-blog-header.php -rw-rw-r-- 1 bitnami daemon 2328 Oct 8 21:15 wp-comments-post.php -rw-r----- 1 bitnami daemon 4268 Dec 12 03:34 wp-config.php (後略)
~/apps/ に phpmyadmin というディレクトリがあったので、調べたら(↓) phpMyAdmin も ready-to-use で、ポートフォワード経由でちゃんと使えました。すごいなぁ。DB アカウントは wp-config.php を参照。
そんな訳で、WordPress サイトを30分程で用意することができました。今回は調査に時間を費やしたので、次回からは10分以内でできちゃうかと。こうまで便利だと他のアプリやコンテナ版も試してみたくなりますな。
尚、AWS には Lightsail という、この手順以上に簡単に WordPress サイトを作れるサービスがあるのですが、ネットワーキングまわりで既存リソース(ELB とか)を共有する等の小回りが効かない部分があり、「さてどうしようか…」と調べていて、この AMI を見つけたことも付記しておきます。