あけおめ・ことよろっす。今年は平穏な年明けで何よりです。それでは四半期恒例、ネタバレ御免なプライムビデオの音楽系コンテンツ寸評まとめです。
リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス(字幕版)
現在パーキンソン病で療養中のリンダ・ロンシュタットドキュメンタリー。常にポップスの中心に居て、ファンではなくとも無視できない存在感を放っていたシンガーです。オリジナル至上主義な当時のロック界にあってカバー中心でのし上がってきたことも異色。「悪いあなた」「イッツ・ソー・イージー」「ダイスをころがせ」「ジャスト・ワン・ルック」「ブルー・バイユー」「ウー・ベイビー・ベイビー」と、ロックの隠れた名曲は全部この人経由で知ったと言っても過言でない。ドリー・パートン、エミルー・ハリス、ボニー・レイット、ジャクソン・ブラウン、ライ・クーダー、ピーター・アッシャー等、語り部もゴイスー。
オスカー・ピーターソン:ジャズ界の革命児
ジャズピアノのヴァーチュオ、オスカー・ピーターソンの生誕から死没までを追うドキュメンタリー。黒人ではあってもアフリカ系でも奴隷出身でもなく、誰からも愛される人格者であり、スランプやドラッグで苦しむこともなく順調に大成し、公民権運動への貢献で名誉も得て80歳以上生きて大往生という、同時期のジャズミュージシャンとしては「異色」とも言える生涯。ジャズに触れ始めた頃にこの人の「ナイト・トレイン」を聴いて、しっとりかつテクニカルだけど、いまひとつ肉体的に訴えてくるものを感じられず、それ以降はあまり興味を持たなかったのは、そんな影のない人生だからですかねー。
ブリティッシュ・ロック誕生の地下室(字幕版)
ストーンズやマンフレッド・マンなどの多くのブルース系ロックバンドが巣立っていったロンドンのライブハウス、「イーリング・クラブ」についてのドキュメンタリー。ミュージシャンではジンジャー・ベイカーやエリック・バードン、ピート・タウンゼントらがインタビューに登場。ちょっと起伏に乏しくて面白みには欠けるけど、資料的には素晴らしい作品かと。
(字幕版)愛の調べ
ロベルト・シューマンとクララの、結婚から晩年までを描く1947年作。リストやブラームスも登場。どちらかというとクララが主人公なので、シューマンの音楽性を深く知るような作品じゃなく、夫婦の絆が焦点かしら。それだけにソープオペラの域を出ていない感も。