わたねこコーリング

野良プログラマ発、日々のアウトプット

2024年第1四半期 プライムビデオで観た音楽系コンテンツ

2021年から始めたこのシリーズも4年目に。音楽系コンテンツなんてほんの一握りかと思ってたけどなかなかどうして、沢山あるものですな。今回もネタバレ御免でやって参ります。

エッシャー 視覚の魔術師(字幕版)

だまし絵等で有名なオランダの画家、マウリッツ・エッシャーの伝記ドキュメンタリー。それが何で音楽コンテンツかっていうと、'70年頃にポップカルチャー方面から人気・支持を得たということで、グラハム・ナッシュのインタビューから始まっているものでw けど、その後は普通に生い立ちから晩年までを追った構成。最後にポップカルチャーとの接点に戻るけど大した掘り下げも無く、エッシャー自身はポップアートとしての露出をむしろ迷惑がっていたというオチも。理系一家の出自ということで作品にも数学が応用されているのかと思ったけど、それほどでもなかったらしく、むしろ直感と情熱の人だったというのは意外。

BILLIE ビリー(字幕版)

ビリー・ホリデイの近親者や知人へのインタビューで構成された伝記ドキュメント。インタビュアーはリンダ・リプナック・キュールという、'70年代後半に不審死した社会派の女性ジャーナリスト。終始人種差別や公民権という視座から描かれているので、音楽的な側面は二の次という雰囲気でひたすら「差別と苦悩の人生」が強調されているよう。こういうの、少し窮屈かも。ホリディだけでなく、キュールのドキュメントという意味合いもありそう。

ジャズ・ロフト(字幕版)

1950年代後半、マンハッタンの古いビルに入り浸り創作の火を燃やし続けた写真家やジャズミュージシャン達のドキュメンタリー。大きく取り扱われているのは報道カメラマンとして名高いユージーン・スミスと、ズート・シムズ、モンクあたり。NYのトキワ荘というとちょっと違うかもだけど、熱かった時代と人々の様子が伝わってくる。やや焦点が散漫な気もするけど。

BLUE GIANT

現在も連載進行中の人気漫画が劇場版アニメに。第一部での上京以降を描いた立志伝中譚。いちおう原作は読んでたので、雪祈の事故までのストーリー進行には心が痛いっす。ところで楽器演奏シーンはモーションキャプチャーで製作してるらしい(クレジットにあった)けど、それにしてはヌルーっとしたコンピュータ臭さが見えてしまって、少し興醒めなのが残念。全体的には良い作品だと思いますが。

白い暴動(字幕版)

1970年代後半の英国に台頭した国民戦線(NF)による移民排斥へのアンチテーゼとして発生したロック・アゲンスト・レイシズム(RAR)と、その活動の集大成として催された音楽フェス・デモ大会(1978.4.30)を描いたドキュメンタリー。いっぽうの言い分だけを扇情的に切り取りってないか? という疑念はあるけど、ロンドン・パンクの背景としてあまり語られてこなかった部分なので、それを差し引いても興味深い。ボウイやクラプトンが NF 寄りな発言をしてたってのにも「へー」。でも音楽的映像は少なく、最後にスティール・パルスとトム・ロビンソン・バンド、シャム69のステージ演奏が少しあるだけでクラッシュに至ってはほぼ皆無なのが不満ですかね。

白い暴動(字幕版)

白い暴動(字幕版)

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