わたねこコーリング

野良プログラマ発、日々のアウトプット

2023年第2四半期 プライムビデオで観た音楽系コンテンツ


長かった「新しい日常」も世間では区切りがついたことになったようで、社会に活気が戻ってきたのは歓迎したいです。まぁ当方は諸事情で相変わらず引き篭もりなネット生活を絶賛続行中ですが。さて高齢じゃない恒例のアマプラビデオ音楽系コンテンツの寸評を。

ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった(字幕版)

ロビー・ロバートソンが語り部となりマーティン・スコセッシが総指揮を取った、ザ・バンドのドキュメンタリー伝記映画(2020年作)。クラプトンやジョージ・ハリスンスプリングスティーンタジ・マハール等の豪華インタビューも。思えば映画「ラスト・ワルツ」公開の頃、ビートルズを入り口に主に英ロックで洋楽入門してハードロックからプログレフュージョンに進もうとしていた当時の自分には、ザ・バンドの音は地味で退屈にさえ聴こえ、ディランのバックバンドが何でこんなに盛り上がってるの? という程度の認識でした。解散後のロバートソン vs 他3人の確執の印象が強かったので、元々は結束の固いバンドだったのが意外でもあり嬉しくもあり。リヴォン、リック、リチャードの3人が既に故人なので、余計に物悲しさが募りますな。
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ノーザン・ソウル(字幕版)

1974年の英ヨークシャー小都市を舞台に、ドロップアウトした高校生が音楽に希望を見出して人生を切り開いていく青春モノ(2015年)。この映画を観るまで「ノーザン・ソウル」ってのは1990年代に作られた懐古的なクラブカルチャーだと思ってました(恥)。ミュージシャンじゃなく DJ を目指すあたりが新機軸かも。ダンスやファッション、風俗がどれだけ当時を再現できてるのかまでは判りませんでしたが。とまれ劇中でかかる音楽がどれもサイコーだったので、エンドロールで曲目を確認してプレイリスト作っちゃいました。記事末尾を参照下さい。

ノーザン・ソウル(字幕版)

ノーザン・ソウル(字幕版)

  • エリオット・ジェームズ・ラングリッジ
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Ladies & Gentlemen The Rolling Stones

ストーンズの1972年北米ツアー記録。2017年にリリースされた同名 CD の映像版? カメラワークにいまいちメリハリが無く、チャーリーやビルの大写しがほぼ無いし、ニッキー・ホプキンスの姿も見えなかったのが残念。黙々とギターに専念するミック・テイラーが印象的ですた。

菅井君と家族石 THE MOVIE

秘密結社鷹の爪」の Frogman がブレイク前に習作として創った Flash アニメの映画化。音楽と映画とアニメのネタが渾然一体になった不条理おバカ短編の繋ぎ合わせで、ニヤニヤしながら見てるうちに時間が溶けて後には何も残らないという潔いまでに吹っ切れた怪作。登場キャラが全部分かればもっと楽しめたかもだけど。(調べたら、菅井くん=スライ・ストーン、兄ちゃん=ジョン・コルトレーン、父ちゃん=ジョン・リー・フッカー、母ちゃん=ジェームス・ブラウン、爺ちゃん=レイ・チャールズ、らしいですw)

ブルースの誕生(字幕版)

1890年代のニューオーリンズを舞台に、ビング・クロスビー演じる白人クラリネット奏者が黒人音楽に身を投じて社会的認知を得ていくまでを描く1941年作品。ジャズ・ブルーズへのリスペクトは表明されているけど、主人公達が遭遇する困難も予定調和的で、黒人達も何の蟠り無く接してくれたりと、何ともあっけらかんとしたテイスト。どれだけ音楽的な時代考証もされているか疑問が残りますが、劇中音楽は流石のクオリティ。

【付録】「ノーザン・ソウル」でかかった曲を集めた Spotify プレイリストです。一番重要な曲であるサルヴァドールズの「スティック・バイ・ミー・ベイビー」が無かったのは残念。